• TOP
  • 工房ナビ
  • GEWとは
  • ライター一覧
  • GEW 購読申し込み
  • GEW 見本誌申し込み
  • 広告掲載について
  • 運営会社
  • 事業内容
  • 企業理念・ミッション
  • CEOメッセージ
  • 会社沿革
  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • お問い合わせ
  • ゴルフ業界求人
  • PGA会員専用求人
  • 月刊GEW9月号 市場活性化のためのインドアゴルフ活用術

    ハッシュタグ「本質はなんだ論」記事一覧

    本年6月から「森林環境税」の徴収が、住民税の均等割に1000円上乗せする形で開始されます。ご存じでしょうか? 地球温暖化防止や災害防止に果たす森林の役割を、適正に管理生育することは極めて重要。そこで、パリ協定における我が国の目標を達成するために、2019年3月に森林経営管理制度とその財源を確保することを目的とした「森林環境税及び森林環境贈与に関する法律」が制定されました。この法律により、「森林環境税」と「森林環境譲与税」とが一対となって創設されたのです。 「森林環境税」は、低所得者層を除く約6200万人を対象に、国税として、地方税である個人の住民税の均等割りに一律1000円上乗せして徴税されます。そして、徴収された620億円は「森林環境譲与税」として、全国すべての都道府県や市町村に森林経営管理制度の財源として配分されます。その使途は、人材不足が顕著な森林管理を担う人材育成、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、木材の利用促進などに使われるそうです。 人手不足や後継者の不在により、手入れの行き届いていない森林について、市町村が森林所有者から経営管理の委託を受け、林業に適した森林はより広い区画で地域の林業経営者に再委託されて経営の効率化を図るとともに、林業経営に適さない森林は市町村が公的に管理します。 「森林環境譲与税」は、「森林環境税」の徴収に先行して2019年度から5年間で累計2000億円が国庫から各地方自治体へ配分されています。その配分基準は、私有林人工林の面積に応じた分が50%、人口に応じた分が30%、林業就業者数に応じた分が20%となっています。 そのため、私有林人工林の面積がゼロで、人口の多い渋谷区のような自治体にも配分されるため、全額を基金として積み立てられ、活用されていないケースもあります。このような場合は、公共施設などに国産木材の利用促進を図ることも施策の一つですが、遅れているようです。 配分基準は、2024年度より山間地への配分を手厚くするために森林面積に応じた分を55%に引き上げ、人口に応じた分を25%に引き下げる改正が行われることになっています。また、今般の「森林環境税」が制定される前に、37府県と横浜市においては森林の間伐事業や治山・都市緑化などを目的に、地方税としての森林環境税(個人住民税・法人住民税に上乗せ課税)が導入されているため、一部には二重課税ではとの指摘があります。さらに、東日本大震災の復興財源のための「復興特別住民税」が2023年度で終了するために、使途の変更だとの指摘もあります。 以上のような指摘のある「森林環境税」と「森林環境譲与税」ですが、森林が有する多面的機能のうち、物理的な機能を中心に貨幣評価が可能な一部の機能について、林野庁は年間評価額を次のように試算し、その重要性を強調しています。 土砂災害防止機能・土壌保全機能36.7兆円、地球温暖化防止機能1.4兆円、水源涵養機能29.8兆円、保健・レクリエーション機能2.2兆円です。 6月5日、国連の世界気象機関(WMO)は、今後5年間で産業革命以前からの気温上昇が1.5度に達する可能性が高いと発表しました。この気温上昇が定着すると、産業革命以前には10年に1回の頻度で起きていた異常気象が、熱波は4.1倍に、豪雨は1.5倍に増加するとしています。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年08月23日
    このほど、2023年度のゴルフ場利用者数(速報値)がまとまったのでご報告します。この数値は、1967年から67年間、「ゴルフ場利用税」の課税状況に基づいて、ゴルフ場利用者の数を正確に記録しているものです。ゴルフ場利用税の納税状況から集計するため、調査対象期間は2023年3月~2024年2月までの利用者数となります。 これによると2023年度のゴルフ場利用者数は、前年度比147万人減の8982万人でしたが、コロナ禍前の2019年度と比べると385万人増となっており、ポストコロナ社会への移行でレジャーニーズが変化しても、顕著な減少はなかったとみられます。 ただ、70歳以上の利用者数の伸び率は対前年度比0.2%増となり、伸び率がやや鈍化する兆しが感じられます。今後2~3年間は、ゴルフ市場を牽引してきた「団塊の世代」が後期高齢者となるため、ゴルフリタイアの状況も注視する必要があるでしょう。また、ゴルフ場数は2023年度に13か所閉鎖して、2172となりました。 さて、4月の「新年度」から1か月以上経過して、今年も新たな動きが始まっています。その中からゴルフ場事業に関連性の高いポイントをご紹介しましょう。 第1点は、ゴルフプレー料金の値上げを実現し、併せて従業員の賃上げを着実に行うことについてです。海外との金利差を主因とした急激な円安、加えてロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の不安定さなどから資源高・物価上昇が起きていることは周知の事実。春闘で、大手企業を中心とした大幅な賃上げが実現されても実質賃金は伸び悩み、個人消費はマイナスになっています。 救いは、外食や外出を伴うレジャー支出は増加傾向で、今後も継続するとの分析があることです。ゴルフ場業界もこの波に乗ることが求められますが、サービスの値上げはモノの値上げのように客観的な根拠を示すことが難しいため、なかなか進まないのが実情です。 ただ、モノ中心だった値上げが徐々にサービスの値上げに移行しており、5年前との比較では、サービス価格にも4割程度反映できているとのこと。持続的な値上げには、顧客満足度を高めつつ、その根拠を丁寧に説明して情報開示を図ることが肝要だと考えます。 第2点は、ゴルフ場経営に関係する法制改正にスムーズに対応することです。一例として、改正「気候変動適応法」が4月1日より施行されました。熱中症警戒アラートが熱中症警戒情報として法律に位置づけられ、人の健康に係る重大な被害が生じる恐れがある場合に、熱中症特別警戒アラートが創設されました。 このアラートは「過去に例のない危険な暑さとなり、熱中症救急搬送者数の大量発生を招き、医療提供に支障が生じる恐れがある場合」に発表されますが、コロナ禍の「緊急事態宣言」発出時と同じ表現になっており、危険な暑さ指数(WBGT)は「35」とされています。 参考値ですが、暑さ指数33で気温37度以上とのこと。万が一、特別警戒アラートが発表された時の対応を、我々ゴルフ場関係者は慎重に研究する必要があります。 次に「障害者差別解消法」が改正されました。障害者が事業所に対して何らかの配慮を求めた場合、事業所側に過度な負担がない範囲で、社会的障壁を取り除く配慮が求められます。「民間事業者による合理的配慮」が「努力義務」から「法的義務」となりました。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年08月06日
    近年、未知のウィルスによる感染症の流行や異常気象による災害が世界各地で発生し、私たちの生活に影響を与えています。これらを解消するために、「生物多様性の保全」や「地球温暖化防止」の国際的活動に関心が高まっています。 社会・経済全体が「生物多様性」(生物間の差異)による「自然環境=自然資本」からの恵みである「生態系サービス」に依存しています。過去50年間、人類は自然の回復力を超えた「自然資本」の利用によって豊かになりましたが、「生態系サービス」は劣化傾向にあります。 そのため「生態系サービスの劣化を止め、回復軌道に転換させる活動=ネイチャーポジティブ」が必要とされ、2022年12月にモントリオールで開催された「国連生物多様性条約第15回締約国会議」(COP15)で、2030年までの世界目標として採択されたのが陸域・海域の30%を生物多様性の保全地域とする「30by30」(サーティー・バイ・サーティー)です。 「生物多様性」が重要な理由は、全ての生物が補完し合いながら生態系を維持しているため、ある種の遺伝子や生態系が失われるとその影響は他の生物にも及び、全体のバランスが崩れてしまうからです。そもそも、人間の身体を形成している細胞の6割弱は微生物によるもので、その遺伝子の数は人間固有のものの数百倍にも及ぶと言われており、私たちの生命は地球と不可分なものとなっているようです。 また、近年、大きな問題となっている「熱中症」による死亡者数は、厚生労働省調べでは2000年207名、2022年1477名と約7倍に増加し、その約8割が65歳以上の高齢者とのことです。昨年は観測史上最も暑い夏となり、国連は「地球沸騰化の時代が来た」と危機感を露わにすると共に「人間の活動が地球温暖化を引き起こしていることは疑う余地がない」と断定しました。 このような事態を解決するために「持続可能な開発目標(SDGs)」を定め、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の欲求を達成することを目指しています。即ち、人類は限りある資源を活用して進歩することを目指して一直線に発展を続けてきたが、その価値観の転換=人間観の転換を迫られているのです。 具体的には「直線型(資源を採掘し、モノを作り、捨てる)から循環型へ」「集中型から分散型へ」「専有から共有へ」と言ったような言葉で表現される「余裕」と「多様性」を持ちつつ、困難に直面した時に適切な対応ができる方向に転換しなければなりません。 幸い、ゴルフを含めたスポーツには、互いをリスペクトすることや、共感することを自然に身に付けられる効用があります。「ゴルフの普及」は、単に業界発展のためだけではなく、もっと広範な効果を意識する必要があるでしょう。 原則論は以上にして、次の提案をゴルフ場において検討頂きたいと思っています。 「30by30」達成のために、我が国では「国立公園などの保護地域の拡張と管理の質の向上」及び、民間企業の所有地等で生物多様性が保たれている「里地里山」等を「自然共生サイト(OECM)」として認定することとしています。 ゴルフ場(その一部でも可)は、「自然共生サイト」として認定を受けることができる可能性があります。「自然共生サイト」として認定されれば、地球環境の保全に貢献するゴルフ場企業としてイメージの向上にも繋がります。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年07月12日
    私的なことだが、3か月後に「後期高齢者」に仲間入り……。自分自身に大きな変化は感じていないが、運転免許証の「認知症機能検査」の受講案内が到着して実感しました。 文部科学省が行っている「新体力テスト」の「6分間歩行」で、2021年の75~79歳の距離が、1998年の65~69歳と変わらない結果となり、高齢者に10歳ほど若返りが見られているそうです。また、2021年の「労働人口(15歳以上で労働する能力と意思を有する人)6907万人」の内、65歳以上者は926万人で、10年前と比較して342万人増加しています。 様々な業種で人手不足が生じていること、高齢者側にも公的年金制度だけでは厳しい経済的理由もあることなどから、高齢期の働き方がどのように変化するか? 日増しに重要な課題となっています。 一般的に、加齢によって新しい情報を得てから処理するスピードや直観力は低下するが、経験や学習により蓄積される洞察力などは上昇すると言われています。したがって、高齢期の働き方としては、得意分野の仕事を自身のペースに合わせて継続できれば、社会から必要とされ、役割があると感じられる「ウェルビーイングな状態」の働き方につながるのではと考えています。 フランスの経済学者トマ・ピケティは、著書「21世紀の資本」で、 「世界の技術的な最前線にいる国で、一人当たりの産出成長率が長期にわたり年率1.5%を上回った国の歴史的事例はひとつもない」 として、これから私たちが迎えるのは「低成長の時代だ」としています。また、オックスフォード大学地理学教授のダニー・ドーリングは、著書「スローダウン 減速する素晴らしき世界」において、 「スローダウンは歴史の終わりでも救いの到来でもない。ユートピアに向かっているわけではないが、ほとんどの人の生活は良くなるだろう。住まいも教育も改善し、過酷な仕事も減り、安定へと向かっている」 とし、加速的な経済成長、人口増加や出生数の減速、二酸化炭素排出量の増加率でさえ緩やかになると様々なデータを用いて「スローダウン」(物事がゆっくり進むようになる)をポジティブに捉えています。そして、「日本は世界の大国の中で最初にスローダウンした国だった」として、市場も需要も際限なく拡大することから生じる経済格差は持続しなくなり、お互いにもっと気遣う社会になると予測しています。 ゴルフ場産業の規模は基本的に国内人口の増減に左右されます。厚生労働省から「出生数急減」として、2023年の出生数(外国人を含む速報値)が8年連続減少で76万人弱となり、このままでは2035年に50万人を下回ると発表されています。 国立社会保障・人口問題研究所は、減少要因を新型コロナの感染拡大で結婚や妊娠が減少したためとして、2024年以降にある程度持ち直すと予測しています。しかし、2023年の婚姻数(速報値)が90年ぶりに50万組を下回ったなどから実現は望み薄のようです。現状の出生率1.26のままでは、50~100年後の実質経済成長率は年平均△1.1%と予測されています。 婚姻数の回復には若年層の不安定な雇用や所得環境の改善が不可欠ですが、実質賃金はマイナスです。 このような状況でゴルフ場業界がすべきは、低料金化による利用者数増から、質の向上による客単価増だと思います。国の観光政策で実施されている政策です。スローダウンすることへの対応がキーワードでは。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年06月18日
    2023年の賃上げ率は3.6%と、30年ぶりの高水準でしたが、物価上昇には追いつかず、実質的な伸びはマイナスの状態が続いています。政府は、緩やかな価格上昇の下に、それを上回る賃上げを実現して経済成長を目指すと叫んでいますが、雇用の7割を占める中小企業では、原材料費や人件費の上昇を4割しか価格転嫁できていません。 そのため、大企業側が原材料費などの上昇分の価格転嫁を認めない場合は、書面による回答を行うよう指導をしています。また、賃上げについては、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を策定して指導しています。 このような状況において、経団連は2024年度の経営側の春闘方針として「物価上昇が続くなか構造的な賃金引上げに貢献することが社会的責務」とし、「中小企業の値上げと賃上げは極めて重要なため、価格転嫁や価格上昇に対するネガティブな意識を社会全体で変革する必要がある」と発表しています。「値上げは悪」という意識の払拭です。 総務省の調査によれば、「モノの値上げ」はある程度実施されていますが、「サービスの値上げ」は遅れているとか。その理由は、原材料価格の上昇や円安による輸入コストの増大など「モノの値上げ」は理解が得やすいが、「サービスの値上げ」は節約志向が定着する中で理解が得にくいとされています。 雇用者の4分の3がサービス業など第3次産業に就労している現在、「サービスの値上げが進まないと多くの人の賃上げが低迷し、物価だけが上がることでサービス業における質・量の低下につながる恐れがある」と危惧されています。 さて、バブル経済崩壊後のゴルフ場のプレー料金表示は、デフレ経済下での生き残りをかけた値段競争により、「プレー料金」に飲食費やゴルフ場利用税・消費税まで含んだ「定額表示」が主流となりました。加えて、値引きの理由を明確にすることなく、周辺ゴルフ場との価格比較で改定が行われました。 プレー料金の値下げはゴルファーにとってありがたいので、誰も文句を言いません。ところが、値上げはそうはいきません。値上げの理由を明確に説明しなければ、理解を得ることは困難です。 「モノの値上げ」には、原因とそれを解消する施策や売り上げ増進策を丁寧に説明すれば、比較的理解を得やすいと思います。しかし「サービスの値上げ」は主観的な要素が加わるため、顧客満足度を高めなければ納得を得にくい。顧客満足度を高めるためには、企業のパーパス決定に従業員を参画させ、帰属意識の高い従業員を育成し、従業員満足度を高めることでサービスの質向上を図る必要があります。 最近、「キャディーフィを値上げするゴルフ場が増加」と題し、「4バッグ1万7600円のキャディーフィは一日の賃金としては高額過ぎる」との内容のネット記事がアップされましたが、筆者はこの記事に違和感を覚えます。プレーヤーが払うキャディーフィには、法定福利費やユニフォーム代・通勤交通費などの雇用コスト・賞与や退職金の財源なども含まれるため、当人に全額支払うわけではなく、「7割程度」と考えるのが妥当でしょう。 また、厚生労働省の「2023年賃金構造基本統計」の一般労働者の平均賃金約1万5100円(1日当たりに換算)と比べても、決して高額とは言えません。良いインフレを促すためには、コスト構造をきちんと説明して、プレーヤーと共有する姿勢が大事だと思います。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年04月12日
    2023年12月、(公財)日本生産性本部は「労働生産性の国際比較2023」を発表。これによると「OECD(経済協力開発機構)」のデータに基づく日本の「一人当たり労働生産性」は、2000年には世界1位でしたが、徐々に下降し、2022年は加盟38か国中31位とハンガリーやラトビアと同程度です。 それでも製造業は18位なので、ゴルフ場も含まれる第3次産業の労働生産性の低さが、全体の足を引っ張っています。特に低い業種として「宿泊・飲食サービス業」が挙げられ、人手不足解消のためにも働き方改革による「ワークライフバランス」の改善が必要とされます。 もちろんゴルフ場も、同様の業種として憂慮すべき状況にあります。経団連は昨年、「長く続いたデフレマインドからの脱却が大事だ」として、「日本の賃金水準は海外主要国に比べて低迷。中長期的な賃金上昇に繋げるためには、労働生産性の向上が欠かせない。社会や消費者が値上げをある程度容認する雰囲気を作り、サプライチェーンの中で適正な取引を行うことで富を共有すべき」としています。 また、連合と日本商工会議所は、物価高や人手不足が経営や人々の生活を圧迫している中、持続的な賃上げに向けて価格転嫁などで連携することを確認しています。 1990年代後半からデフレで物価が上下せず、節約志向への対応で企業は値上げに慎重となり、収益を伸ばせない企業が賃上げをためらう悪循環に陥ったのです。この現象は次の点からも理解できるのではないでしょうか。 まず物価については、世界中に展開するマクドナルドの価格で物価水準などを比較する「ビッグマック指数」があり、1993年と2023年を比べると、日本391円→450円、韓国326円→580円、米国257円→793円と、日本の値上げは極めて小幅です。 また、賃金については、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で2000年を100とした時、1998年111.0、2022年102.5と、ほとんど伸びていません。 以上を前提に、ゴルフ場業界を見てみましょう。「プレーヤー一人当たりの利用税額」からプレー料金の動向を見ると、2021年度と22年度の合計伸び率が、2020年度との比較で1.4%上昇しています。本当に小さな上昇ですが、1994年度から26年間連続で37.8%も下がったプレー料金が、ようやく上昇に転じたのです。 今後の課題は、各種コストの増加や賃上げに対応しつつ、プレー料金の値上げをどのように実現させるかです。そのためには、「従業員満足度」を高めて労働生産性を改善すること。「従業員満足度」が高まれば、スタッフの気配りがあらゆる業務(接客・コース管理・料理・清掃など)の成果に現れ、「顧客満足度」を高めます。「顧客満足度」が高まれば、値上げへの理解度の範囲が拡大します。 プレーヤーからすれば、値上げは回避して欲しいことですが、それを乗り切らなければ労働生産性の向上による賃上げは望めず、将来を託す人材の確保も難しいでしょう。 次月号では、どのような点に留意すれば「値上げ」と「コスト削減」を実現し、労働生産性を高めて「賃上げ」を実現できるようになるか。さらに「キャディーフィ値上げはキャディー付きプレー離れが起こる」との声もあることから、キャディーフィの内容についても説明したいと考えています。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年03月22日

    すべて読み込まれました。