「ちょうどいい飛び系」は本当か?APEXアイアン新旧モデルをトラックマンで打ち比べ
片山三将
1965年生まれ、東京都出身。
1992年「月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド」(GEW)を発行する株式会社ゴルフ用品界社に入社。以来、編集&クライアントへの広告・企画を担当。
その一方、国際事業部の責任者...
SNSでシェアする
永井プロにキャロウェイ『APEX』アイアンの新旧モデル(19年モデルvs16年モデル)の比較テストをしてもらった。
新モデルの触れ込みは、ちょうどいい飛び系 軟鉄鍛造アイアンとのこと。このフレーズから製品対象者は、軟鉄鍛造の所有感や打感を好む上級者。
試打結果はいかに?
永井延宏プロ
1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞
『APEX』アイアン新旧モデルの違い
新旧モデルはボディは軟鉄鍛造、フェースは360フェースカップと構造的な違いはないものの、新モデルはヘッド内部にウレタン・マイクロスフィアと呼ばれる衝撃吸収材を注入。 より反発力を高めて飛距離を伸ばすという要素が取り入れられた。 ぶっ飛ばなくてもいいけど、アイアンもできれば飛ばしたいと願うゴルファーに向けたアイアンだ。永井プロ『APEXアイアン』試打インプレッション
まず、構えた印象ですが、旧モデルはどの番手においても少しグースネックになっており、重心位置もやや深め。 それに加えて、フェースの弾きも強く感じますし、全体的にインパクトの挙動が強いですね。それが弾道の高さやつかまりやすさにつながっている印象。アマチュアゴルファーに向けてやさしく仕上げたモデルでしょう。 一方、新モデルは旧モデルよりもストレートネックになっていて目標に真っすぐ構えやすいですね。そして、打ってみると軟鉄鍛造らしいソリッドなインパクトのフィーリングがあります。飛んでラインも出る万能アイアン
そして、ヘッドの挙動が少なく直進的に動く特徴があるので厚いインパクトになりやすい。狙ったところにストレートにボールを飛ばせます。 トラックマンのデータだと、5番でボール初速56m/s、キャリー190ヤード、トータル207ヤードと新旧モデルともほぼ同じでした。 ただ7番と9番では明かに新モデルのボール初速が2~3m/s上がり、トータルでは2ヤードほど(7番:185ヤード、9番:166ヤード)飛距離がアップしました。 新旧モデルともにフェースカップですが、新モデルの方がインパクトは厚いですね。また、インパクトの挙動もしっかりと抑えているので、操作性もいい。それがシンプルな直進性の高い弾道につながっています。GEWスタッフ・片山(筆者)の試打インプレッション
永井氏に続いて、本誌記者の片山三将がテスト。ドライバーのHSが43m/sほどと平均的だが、目下の悩みはシニア入りして身体の切れが悪くなったこと。 アイアンの引っ掛けやそれを嫌がりプッシュアウトなどボールが散る原因になっているようだ。 何とかアイアンショットの安定を図り、パーオン率を高めたい。そんな思いでテストに臨んだ。直進性が高くつかまり過ぎない パーオン率が上がりそう
まずは、旧モデルの9番をテストした。永井氏が評価した通り、ややグースネックでアップライトな顔つき。やさしくボールがつかまるという印象だ。 そして、打ってみると自分が狙ったラインよりも少し左に飛んでいく。決して悪くないショットだが、ピンを狙いたいショート番手では少し不満が残る。そこで新モデルの9番をトライした。 見た目は旧モデルに比べるとストレートネックで目標に向けて構えやすい。その一方、ボールを包み込むような柔らかいフォルムなのでボールがつかまらない感じはない。 打ってみると、しっかりした打感でほど良い弾き感もある。弾道は落ち際でややフェードしゆっくり着弾した。実際にトラックマンのデータを見ると別掲の通り、新モデルの方がキャリー、トータルともに6ヤード伸びている。 ライン出しができたフェードで飛距離がアップしているのは、想定以上の結果だ。7番アイアンは?
次に旧モデルの7番を打ってみた。9番同様、少しグースがありアップライト。こちらもボールがつかまりそうな安心感はある。 ただ、引っ掛けてグリーンを大きく外したくない番手。それを嫌がったのか、今度は少しフェースをめくってしまいやや吹け気味のプッシュアウトが出た。打感は弾き感もあるし悪くなかったが、結果があまりよくない。 一方、新モデルの構えた感じはストレートネックだがボールはつかまりそう。ミドル番手になると、ボールを吹かして距離をロスしたくない。この辺りのゴルファー心理を微妙に汲んだ顔付きだ。 ただ、打ってみると左に行かない。直進性が高い弾道で最後にフェードして目標付近に着弾した。トラックマンのデータでは新モデルの方がキャリーで6ヤード、トータルで5ヤードアップ。強い弾道であればフェードでも飛ぶことを実感。5番アイアンは?
そして、最後に5番を打ち比べたが、結果から言うと新作の方がキャリーで4ヤード、トータルで8ヤードアップした。旧モデルも真っすぐは飛んだが、少しラインが左にずれたのに対して、新モデルはほぼストレートに飛んで行った。 印象に残ったのは打ち出し角の高さ。ボール初速は1m/sアップとほぼ旧モデルと変わらなかったが、打ち出しが高い。その分、飛距離が伸びたようだ。 全体的な印象としては、旧モデルはボールがやさしくつかまるという点で優れているが、新モデルはアイアンらしい方向性の良さに切れ味とソリッドな打感、そして強い弾道を兼ね備えた総合力の高いモデルと感じた。 筆者のようなやさしいアイアンだと方向性が安定しないゴルファーだけではなく、アイアンにソリッドな打感、直進性、飛距離を求める上級者まで、幅広い層が使用メリットを得られる。それが『APEX』の新モデルだ。APEX アイアン
- APEX プロアイアン:単品2万4000円(税別)、6本セット(#5~9、PW)14万4000円~(税別)
- APEX アイアン:単品2万4000円(税別)、6本セット(#5~9、PW)14万4000円~(税別)
おすすめ記事
おすすめ
ツアーサポートの舞台裏 ルール変更後のレーザー距離測定器のその後
2024年09月10日
おすすめ
キャロウェイゴルフ、2018年上期の好業績を発表
2018年08月05日
おすすめ
全番手8番アイアンの長さ、重さも統一 新しいコンセプトのアイアン登場
2024年09月05日
おすすめ
つかまりと抜けの良さが抜群 どこからでもグリーンが狙えるユーティリティ「UFO」
2024年09月09日
おすすめ
ヨネックス 人事異動のお知らせ
2024年09月08日
おすすめ
『スピーダーNXブラック』をHS40m/sのアマが試打検証
2023年08月06日
おすすめ
ツアープロの要求に応えたアイアンと スピン性能にこだわったウエッジ登場
2024年09月08日
おすすめ
「開発ごっこ」を糾弾したヤマハの新作『RMX』が狙ったモノ
2019年08月06日
おすすめ
ライトが『スーパーストローク』を本格販売!USPGAの4人に1人が使用する秘密とは
2020年05月21日
おすすめ
タメとしなり戻りが同時に起きる 新・赤デラ『UX』 は史上最強のしなり戻り 40gRは「リニア級」、50gSは「光速」!
2024年09月04日
おすすめ
Diamana WS シリーズ|パワーフェードで飛ばす「元調子=上級者」を打破する新シャフト
2023年05月10日
おすすめ
異色の組み合わせで市場参入 目標インドア1千店舗の舞台裏
2024年01月09日
おすすめ
ボルビック VIVID(ビビッド)は目立つだけじゃない高性能ゴルフボールだ
2017年07月11日
おすすめ
ツアーサポートの舞台裏 重量調整がしやすい『トリプルダイヤモンド』で つかまりを調整
2023年10月06日
おすすめ
専門店がメーカーを順位付け 日米メーカーの得意分野が明確にわかれた
2020年08月30日
おすすめ
狙う、上げて止める、タイミングで選ぶシャフト『TGI』、『MAX GRAPHITE』 『PGI』
2023年09月11日
おすすめ
日本シャフト、役員選任のお知らせ
2021年04月15日
おすすめ
カウンターバランス再注目 グリップの重量調整で「飛距離が伸びる」は本当か?
2020年11月04日
おすすめ
テーラーメイド ゴルフ 役員人事のお知らせ
2024年06月17日
おすすめ
新技術搭載のカーボンアイアンシャフトと高弾性カーボンを採用したパターシャフト発売
2024年09月02日
おすすめ
本間ゴルフ小川典利大社長が描く「ホンマ復活ストーリー」
2024年06月02日
おすすめ
タイトリストに続き テーラーメイドが 韓国資本へ
2021年07月01日
おすすめ
フェアウェイウッドがバッグから消える日
2019年01月16日
おすすめ
~野暮だよあんた~その9:ゴルフ業界の常識を疑え
2024年09月06日
おすすめ
キャスコ『UFO』を試打!150yをユーティリティで攻める?
2019年09月17日