上級者向け『スタビリティーツアー』シャフトを永井プロが試打検証!その評価は?
吉村真
1974年生まれ、長崎県出身。 パーツブランド、ゴルフ場経営、中古ゴルフチェーン、ゴルフ雑誌を渡り歩き、現在は「月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド」で地クラブの担当として取材、執筆。 国内を始め、中国、台湾、米...
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令和元年にヒットしたパーツといえば、カーボンとステンレスなどの複合パターシャフト『Stability Shaft(スタビリティー・シャフト)』だろう。
その最大の特徴はシャフト全体のトルクが1度と、従来品の約半分であり、ストローク中の捻じれが少ないこと、また、インパクト時にヘッドの振動を抑制して、パッティングでの左右のブレ、縦の距離感が安定することだ。
特にカーボン部分は12層のカーボンシートを積層し、パラレル形状。そのカーボン部分にはチップ側に有限要素法解析で設計された22gのアルミインサートが挿入されている。その下のコネクタ部分にはスチール素材の5倍の剛性を持つ7075アルミアルマイトという素材を採用。
総合的には剛性が強く、トルクも少ないため、パターシャフトにありがちな手元の緩さがなく、ヘッドの操作性が高いシャフト。その上級者向けが『スタビリティーツアー』だ。
その『スタビリティーツアー』をギアの賢者・ソクラテス永井延宏プロが試打、その性能を紐解いていく。
永井延宏プロ
1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞
上級者向け『スタビリティーツアー』シャフトを永井プロが試打検証!その評価は?
『スタビリティーツアー』をギアの賢者ソクラテス永井プロが解説
吉村:今回の『スタビリティーツアー』はスタンダードモデルと比較して、カーボン部分チップ側が13%細身になっていながら、カーボン部分の厚みは30%厚くなっています。 さらに22gのアルミインサートもありません。昨年、永井プロにはスタンダードタイプを試打していただいていますが、その印象からお聞きします。 永井:そうですね。形状が特徴的で手元側の太さにインパクトがあって、アルミインサートの影響で1本のシャフトの中に節があるようなフィーリングがありました。手元側とヘッド側をセパレートしたイメージです。 吉村:スタンダードタイプの打感などはどうでしたか? 永井:はい。イメージしやすいのは野球のバットを反対に持ってパッティングしているようなバランス感でした。 アマチュアゴルファーの中には、振り子運動が上手くいかずにヘッドがフラフラして制御できないようなゴルファーがいますが、手元側に重心があって大型ヘッドと相性も良く、ヒットした印象がありますね。 吉村:今回の『スタビリティーツアー』は、カーボン部分がスリムになってアルミインサートがなくなりました。ワンピースなフィーリングで微妙なタッチを求めるゴルファーに向けた商品です。 永井:それでは実際に打ってみましょう。オートマチックなスタンダード『スタビリティーツアー』はタッチが出しやすい
永井:打ってみた第一印象は、スタンダードタイプと違って見た目からくる細さと、アルミインサートがない分、シャフトのワンピース感が感じられます。 手元からの撓りがそのままダイレクトにヘッドに伝達されます。野球のバットの表現でいえば、今回はバットの細い方を持っていて、手元側の撓りがヘッドの重さの挙動に繋がってくるので、フィーリングを感じやすい、タッチが出しやすいシャフトです。 吉村:カーボン部分から繋がるコネクタだけではなく、ヘッドに繋がるステンレス部分がブラックIPになりました。 永井:はい。スタンダードモデルはカーボン部分が太く、ステンレス部分はシルバーで、シャフト自体の存在感が強調されていました。 今回の『ツアー』は細くなって、ステンレス部分も黒い。シャープさが増して、ゴルファーが意識するバランスポイントも手元側に来過ぎない形状になっています。 吉村:ハイブリッドシャフトだけど違和感がない? 永井:その通りです。そしてシャフトが細くなっている分、撓り量は多くなりながらも、スチールシャフトにありがちなモタツキ感をカーボンの積層に厚みを持たせることで軽減しています。 『スタビリティー』独特の形状や構造による旨味を持ちつつ、手にした印象はオーソドックスな印象を受けます。スタンダードタイプも同じですが、ショートパットにおけるテイクバックからの切り替えし、レスポンスの良さは『スタビリティー』の大きな特徴です。 ショートパットでのブレの少なさは『ツアー』にも踏襲されています。意外と始動でのシャフトのモタツキがないので、緊張する場面でもスッと手が動いてくれる安心感のあるシャフトです。シャフトが仕事をするから転がるソフトインサートと相性抜群
吉村:スタンダードモデルはオートマチックで、転がりのブレや方向性が良く、大型マレットとの相性が抜群でしたが、『ツアー』はどうでしょう? 永井:スタンダードと比べて『ツアー』は少しマニュアル的な部分があるので、シャープなヘッドとの相性は良いと思います。また、転がりが良いですね。 そのような意味では、シャープなヘッドでソフトインサートのパターを使用していて、ボールの弾きが物足りないゴルファーには距離感が出しやすくなるでしょう。 一方でネオマレット型でも、ヘッドの深重心と『ツアー』のヘッドに当たり負けない強靭さ、剛性の強さはマッチすると思います。ショートパットの安定感、始動からのタイミングの取りやすさなど、慣れてくればミドルパット、ロングパットにも効果が出てくると思います。おすすめ記事
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