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  • 再度いう!「良き変容こそ、人間が大切にすべきこと」

    三田村 昌鳳
    1949年2月24日神奈川県逗子市に生まれ。立正大学仏教学部を経て、週刊アサヒゴルフ副編集長ののち、1977年に独立。著書に「タイガー・ウッズ伝説の序章」「伝説創生」など。2011年春に「ブッダに学ぶゴルフの道...
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    月刊ゴルフ用品界2014年1月号掲載 「第25回『荒ぶる』」 なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 2013年を象徴する漢字一文字は「輪」だと京都・清水寺の貫首が書いた。 けれども、一般市民の声を拾ってみると、その中に「偽」という漢字をあげた人も多かった。 もちろん偽装ドミノのことだ。 まるで脅威なインフルエンザのように、偽装ドミノが続いている。日本経済新聞の見出しではないけれど「どこでもやっている」という免疫性は、さらに怖い。 ひと昔、いやもっと昔に「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉があった。その頃から、日本を揺るがすインフルエンザが蔓延して、遂には、偽装ドミノが次々に発覚し、居直りコメントにつながる。 偽装、隠蔽、改ざん‥‥ そんなことが、まるで当たり前のように、罪悪感もなく日常的に行われている組織は、ほんとに怖い。会社、組織、保身の悪知恵だと思う。その場しのぎや、隠蔽することで、組織が守れるし、自分たちの立場も死守できる。 この体質は、多かれ少なかれどんな組織体にもあると思うのだ。もちろんゴルフ界だって、あってもおかしくない。 偽装事件は、まだゴルフ界にはなさそうだけれど、なにか2013年は、その土台がズルズルと歪み、崩れ落ちていきそうな前触れのような感じがした。男子ツアーのトーナメントが減少。日本オープンの惨憺たるギャラリー数。視聴率の大幅低下。公益社団法人である日本プロゴルフ協会の反社会的勢力とのつきあいで、副会長と理事が辞任し、まだ組織としての律し方については未解決。 さらにゴルフ用品メーカーの大量リストラ(150名以上の希望退職者)。この現象を俯瞰してみると、ともに中長期的ビジョンのないまま、現状維持、あるいは、いままで通り、目先に追われて将来のグランドデザインを示さないままでいることだと思う。 日本ツアー機構のQTファイナルがあって、来季のツアー登録メンバーが決まった。ファイナルの予選通過者の上位30前後までが、来シーズンの前季トーナメントに出場できるチャンスがあるという。 毎年、ファイナル108ホールの戦いを終えたあとに、通過者はガイダンスの講義を早朝から夕方近くまで受講することになっている。それに欠席すれば、来季の資格を失う(昨年受講した選手は今年は免除。免除は1年限り)ので、もちろん、シニアツアー賞金王の室田淳も受講していた。 室田は、1955年生まれだから58歳である。キング・オブ・シニアと呼ばれ、ほかのシニア選手からも一目置かれる実力者。その彼が、いまなおレギュラーツアーに挑戦し続け、今回は16位で通過し資格を得た。その意欲は大いにリスペクトしたいと思う。 でも、その室田もガイダンス受講は、必須で、しっかりと、いちばん前の席に座っていた。 僕は、この数年「マスコミ対応とプロとしての社会性、自覚」というタイトルで1時間の講義を仰せつかっているので、今回も講義をし、いくつかの事例も出した。 たとえば、あるトーナメントのプロ・アマ大会での出来事。一流会社の役員が著名プロと一緒に回った。ラウンド中に言葉もほとんど交わさず「その横柄さにとても嫌な思いをした」という。そしてプロ・アマ大会が終了してパーティへ。同じ組なのでテーブルも同じだった。その人は、いてもたっても居られずに、ついに言葉を発した。 「あなたは、ゴルフは一流でも、人間としては最低ですね」と面と向かって言ったという。 こういう対応の積み重ねが、トーナメント減少につながるということや、服装、言葉遣いなどについても話をした。 けれども、選手たちをそういう風にしてしまった、そういう行動を黙認したメディアや協会にも責任の一端があるということも言った。1時間の話のあとに、質問を受けたら、まっさきに手を挙げたのが室田だった。

    先行き不安

    質問の趣旨を簡単に説明すると①JGTOは、PGAと分裂して、よかったと思うか? ②いまのトーナメントは、運営費などお金がかかり過ぎていないか? その理由のひとつとして、広告代理店、運営会社などと協会とのバランスが悪いと思うのだが? ③この先、どうすればトーナメントの活性化、盛り上がりができるのか? もちろん、我々選手側にも、問題はたくさんあるけれど、それだけで解決するのかどうか? ④両協会(JGTOとPGA)には、その打開策もなければ、将来のビジョンもない。これでいいのか? また打開策はあると思うのか? テーマとは違う質問内容だったけれど、要するに、選手たちも先行き不透明なゴルフ界を懸念しているわけである。 こう答えた。 ①の分裂問題は、あの時代には必要な分裂だったけれど、いまの時代に変化して、再びJGTOとPGAは合体すべきだと。但し、体質が悪い組織が2つ重なっても決して善の体質にはならない。膿をすべて吐き出す画期的な改革が必要。弱体企業が2つあることよりも合併することがパワーに変われる可能性が高いと。 そして②に関しては、前々から言っていることだけど、まず各県オープンの基礎を築くことから始めるべき。そのときに、いままでのイベントのスキームではなく、別のスキームが不可欠だということ。③の問題も含めて、④にまつわるビジョンと中長期のグランドデザインを考えること。 15年前、JGTOが発足する直前のブレストで僕が提案した中に、トーナメント運営能力とハード部分(スコアボードやギャラリースタンド)などを協会傘下の会社としてつくって、全トーナメントをそのセクションで運営する。それが原資となる。さらにCSチャンネルを持ち、月額700円(年に1万円弱)のお金をとってトーナメント中継をする。チャンネルは、いわば日本ツアーチャンネルで、ゴルフチャンネルとする。もちろん、いまのようにゴルフネットワークもなかった時代である。 当時のゴルフのヘビー視聴率は3パーセント。300万人。まあ、それがオーバーでも、100万人が加入すれば、およそ100億円。するとスポンサーに多額を支払わせなくても年間トーナメントが成立するというアイデアだった。 室田選手が、なぜ僕にそういう質問をしたのか解らないけれど、少なくとも選手たちの間でも先行き不安が募っていることは確かだ。 グランドデザインが見えて、どこへ行こうとしているのかが解れば、選手たちももっと自信を持って頑張れる、ということだった。 このコラムで何度も同じフレーズを使うけれど、改めてダライ・ラマの「良き変容こそ、人間が大切にすべきこと」という言葉を、2014年に向けて、ゴルフ界も「良き変容こそ、組織・協会が大切にすべきこと」だと思う。