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  • 70歳からは若々しいスウィング作りを目指す

    塩田正
    昭和7年、千葉県生まれ。昭和31年東京教育大学(現筑波大学)体育学部卒業。体育心理学専攻。同年(株)ベースボールマガジン社入社。ゴルフマガジン誌編集長を経て独立。会社役員、短大講師を兼ねながらゴルフライターとし...
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    クラブの仲間とは、月に数回一緒にプレーするが、誰いうとなく「年はとりたくないものだ」とドライバーを打った後につぶやく。 お互いに今のクラブで出会った頃は、背骨もシャキッと伸びていたし、歩き方も早かった。飛距離も200ヤードをはるかに超えていた。 それに比べると今は肩が丸くなり、腰も少し曲がり始め、膝の伸びない歩幅で、歩く時間も遅くなっている。こうした体型を見ると、あと何年ゴルフがやれるのか、誰もが心配し始める。 しかし、70歳過ぎてもゴルフをしている人は、月に2、3回は6時間近いコースをラウンドするし、週に何回かは練習場で、100発近いボールを打っているはずだ。 こうした人たちは、ゴルフをしない人たちに比べれば、はるかに健康生活を送っていると思って間違いない。 この環境からすれば、飛距離が落ちたといって、落ち込んだり、あるいはスコアが3、4ストローク悪くなったと、暗い顔をしたりするのは、せっかくのゴルフ人生を短くしてしまうかもしれない。 距離が落ちてがっくりする気持ちはわかるが、健康である限り、将来へ向けて、もう一度、若々しいスウィングを身につけて、ゴルフ人生の再出発へ、目を向けてもいいのではないか。 出っ尻、世界を制す その第一としてチェックしたいのがアドレスの姿勢だ。70歳を過ぎたあたりから、構え方に変化が見え始める。本人は気がつかないのだが、わずかに曲げた両膝に力がなく、両肩も少し猫背の格好になっているのがそれだ。 レッスンの名手と言われた小松原三夫プロは、冗談交じりに「出っ尻、世界を制す」と、来日した折のジャック・ニクラスのアドレスの姿勢を見てこう評した。 下半身がどっしりし、背筋がまっすぐに伸びて、安定した姿をまのあたりにしての感想である。 では、どうしたらニクラスのようなどっしり型のアドレスを作れるか。小松原プロは「両足を開いて、地面に置いた重い石を持ち上げるときの姿勢」と具体的に示す。 確かにずっしりと重いものを両手で持ち上げる時は、両肩にハリが見られ、お尻も後ろへ突き出た形になる。それに両膝もわずかに曲がった状態だ。この形を構えに採り入れたら、上半身と下半身のバランスが絶妙になり、早いスウィングの動きにも十分耐えられる。どう見ても、若者のような構え方にしか見えなくなる。 自然な動きで振り下ろす 2番目の注意点はダウンスウィングのスタートだ。遠くまで飛ばしたいボールが目の前にあるだけに、クラブを持つ両腕に力が入る。 とくに飛距離が落ち始めたグランドシニアにとって、ここでの切り返しの動きが問題になる。少しでも遠くへ飛ばそうとして、両手、両腕はもちろん、両肩にまで必要以上の力が入ってしまうのだ。 その結果、コックが早く解けるキャスティングの動きが出たり、両肩の早い開きになったり、体重が右足に残ったままになったりというミスが目につくようになる。  実際問題、ダウンスウィングのスタートでは、これまでも1)コックを溜めたまま2)グリップエンドをボールに向けて3)両肩両腕で作る三角形を変えないで‥‥など、いろいろ試みたが、結果としては、ある時はうまくできても、それを定着させるという点では、あまり期待できなかった。 だが、あるときベン・ホーガンの「モダンゴルフ」(ベースボールマガジン社刊=水谷隼訳)を読んでいて、この肩の動きについて、はっと気づかされる箇所があった。  その内容とは次の一文だ。 「両腰の回転がダウンスウィングを始動する。この腰の運動が自動的に両腕と両手とを腰の高さあたりの位置まで引き下ろす」 目からウロコが落ちるとは、このことだろうか。つまりダウンスウィングのスタートは、何も考えなくても、腰をアドレスの位置に戻すだけで、両腕、両手がボールを打つ位置(ほぼ右腰の高さ)まで引き戻されてくるというのだ。 この言葉でダウンスウィングのスタートが非常に楽になった。必要以上の力を入れたがるグランドシニアたちにとっても、大きな意味を持つ言葉に違いない。 アドレスに戻る練習 もう一つの問題点は、インパクトでの伸びあがりだ。これも飛ばそうと思って、力んだときに起こる間違った動きである。 インパクトで体が伸びると、ヒッティングポイントに上下のずれが生じやすい。ドライバーからショートアイアンまで、ボールの頭を叩くトップが目立つようになる。 このポイントも矯正に苦労するところだが、アメリカの有名なティーチング・プロ、クリス・コモ氏の矯正法が、米ゴルフマガジン誌(2013年4月号)に載っていたので引用させていただく。 クラブを持たずに、お尻が壁に軽く触れる位置で前傾し、アドレスの姿勢をとり、さらに腰を回してベルトのバックルを目標に向けたインパクトの姿勢に移る。この時点でも、左のお尻が壁についたままにしておく。やってみればわかるが、前傾姿勢がそのまま残る。 これがコモ氏の要約である。 お尻を壁に触れさせていることで、インパクトでも前傾姿勢が保たれるというドリルだ。誰にでもできる簡単な方法である。 「インパクトはアドレスの形に戻るイメージ」とはよく技術書に出てくる言葉だが、この方法だとやすやすと手に入れることができそうな気がしてくる。
    この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
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