1. ようこそ「お一人様」!ゴルフと相性がよい皆さん

ようこそ「お一人様」!ゴルフと相性がよい皆さん

時田由美子の「おんなとゴルフ」
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時田由美子の深堀り考現学「おんなとゴルフ」

月刊ゴルフ用品界2016年10月号掲載
なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。


はたらく女性がモテモテな時代が加速

100万人単位で人口が減っているゴルフ業界にとって、自由にお金を使える女性や働く女性の取り込みが欠かせないことは説明するまでもない。ただし、他の業界もそのような女性の「お財布と時間」を必死で狙っていることを忘れてはいけない。女性はどの業界からもモテモテなのだ。

女性を取り巻く環境は、ここ20年でずいぶん変化してきた。「M字カーブ」という言葉をご存知だろうか? 女性の年齢を横軸、働いている割合を縦軸にした就業状況グラフにおいて、25~45才の結婚・子育てゾーンがM字に凹むカタチを表した言葉だ。

近年、このM字カーブは、働く女性の増加(働いていない女性の減少といったほうが現実的かもしれない)によって、Mの凹みがほぼなくなるところまで変化している。これは、何を意味しているのだろうか?

確かに日本の少子化は大問題で、今後人口が増える見込みはない。しかし、このM字カーブ視点でみれば、従来M字ゾーンで消えていた幻の消費者(家計の決済権はあるがお財布は夫のもの)が、自ら社会に出てきて、自身のお財布を持って消費活動をするのだ。

これは消費者の観点でみれば、女性人口の増加と言うことができるのではないだろうか? そして、その人口割合は、さらに増していくと見られている。

専業主婦でいることが許されない時代に

では、その代わりに誰が減ってしまうのか?

それは当然、専業主婦だ。そう、現在の平日のゴルフ場を支える一端を担うみなさんである。その背景をみてみよう。

第一に、家庭において、男性の年収がなかなかあがらない時代背景がある。この企業にいれば定年まで安泰という企業が減っていく中、妻に一緒に家計をささえてほしいと共働きを求める男性が増えているのだ。

第二に、国の後押しがある。2015年10月に発足した第3次安倍晋三改造内閣の「一億総活躍社会」は、50年後も人口1億人を維持し、一人ひとりが家庭や地域や職場で自分の力を発揮し、生きがいをもてる社会の実現をめざすという宣言だが、すべての女性に働いてほしいというメッセージが強く発信されている。

反発は大きいが、年収103万円以下におさえて働く主婦や専業主婦の「配偶者の扶養控除制度」は廃止方向で進んでいるし、国の動きを受けて、トヨタやホンダが配偶者に対する家族手当の廃止を決めるといった企業側の動きもでてきている(トヨタは子供手当てをアツくする方向にシフト)。

言葉は悪いが、家にいる主婦を社会の働き手として外に出そうと必死だ。

女性たちにおいても、自然とそのようなマインドに変わりつつあり、寿退社というワードは今の20代には「なんですかそれ? でき婚ですか?」状態だし、子供を授かることにおいても、会社に属しながら出産・子育てを乗り越える女性が増えている。

女性社員の産休・出産復帰のための制度も整いはじめ、子供ができたから辞めなければいけないという空気感ではなくなってきている。当人にとっても、両立が大変ではあるが、生涯的に考えればそのほうが手厚い支援を受けられることを女性たちもよく分かっている。

もちろん、「自分のお金」があることの安心感や自由さも。

ゴルフ業界への影響としては、専業主婦が減り、働く女性が増えると、土日祝によりゴルフを楽しむ女性が増えることが考えられる。もちろん、女性たちがゴルフを趣味にしてくれたらの話であるが‥‥。

狙うは未婚の女性

働く女性の中で、ゴルフとの相性がよい皆さんがいる。それは所謂「お一人さま」、未婚の女性たちだ。

従来の雇用機会均等だけでなく給与・待遇面でも男性との平等化が進み、管理職への登用に女性枠が設けられるような動きも耳にするようになってきた。しっかり働きつづければ、年収が男性なみに高い女性ゾーンができていくのだ。未婚女性ならば、そのお金を全て自分のために使うことができる。

結婚する・しない、子供を望む・望まないなど、幸せの形は人それぞれで、多様性は尊重されるべきだが、未婚化や晩婚化が進む中で、残念ながら「一人で生きる女性が増えていく」ことは確実視されている。

では、そんな彼女たちは、どんなプライベートを過ごし、どんな悩みを抱えているのだろうか? 結論からいうと、非常にゴルフと相性がよい悩みを抱えている。それが「孤独感・寂しさ」である。

彼女たちは、フとした瞬間に孤独感や不安を感じることが増える。たいていそれは何の予定もない夜や休日に生じるが、Facebookなどのソーシャルメディアを見ている瞬間に襲われることもある。まず、友人たちが家庭をもちはじめると、土日に過ごす相手がいなくなる。

共感できる会話も変わり、会ってもなんとなく空気が以前と違う。気づけば、誰とも話さない休日ができたり、彼氏も数年いなかったりで、このままではマズイと気付く。余暇・人間関係など、プライベートを充実させたいニーズが増していく。そんな彼女たちと、新しい仲間や異性との出会いが創出できるゴルフはとても相性がよい。

今後、ゴルフ業界が狙うべき(救うべき?)対象が見えてきただろうか? 彼女たちは減る一方の男性と違って成長市場ゆえ、私たちは、あらゆる産業が彼女たちのお財布と時間を独占したいと狙う「モテる女性」ということを理解した上で、謙虚かつ大胆に、彼女たちを落とさなければならない。

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時田由美子

時田由美子

株式会社CURUCURU代表取締役。前職SE時代にゴルフにはまり、女性のゴルフ環境をもっと良くしたいとゼロから起業。女性会員7万人の女子ゴルフサイト「CURUCURU」を作り、「女性とゴルフをつなぐ」をテーマに活動。グロービス経営大学院修士(MBA)。

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