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地域密着型カフェがゴルフ場にオープン

ゴルフ場 向井康子

GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス(神奈川県、茅ヶ崎GL)のクラブハウス2階に今年7月、ゴルフをしない方、お子様、店内にワンちゃんもOKなカフェ「TREX OCEAN CAFÉ」がオープンした。

プロデュースを担当したのは入川スタイル&ホールディングス社長兼CEOの入川ひでと氏。150坪のスペースに、室内とテラスを合わせて132席を用意しており、今はコロナ対策で6割までにおさえている。コンセプトは「LOVE LOCAL FOOD」で、テイクアウト可能な軽食から本格BBQまで幅広く楽しめる。

この話は2019年9月にさかのぼる。GDOをはじめとする3社は神奈川県が公募する「茅ヶ崎ゴルフ場利活用事業」において優先交渉権を獲得。この事業はゴルフパークやホテルなどを目的としたもので、同10月より運営に向けて協議をすすめた。が、新型コロナの影響で事業計画が困難となり、2020年8月31日に契約が解除になっている。

改めて県より運営委託を受け、2020年5月7日に仮営業をスタート。3月末まで営業を続けたが、再度、県と茅ヶ崎協同株式会社が公募する「茅ヶ崎ゴルフ場運営事業者募集」で最優秀提案者に選定され、今年2月に本契約を締結、引き続き2026年3月末までの5年間、運営を行うことになった。

茅ヶ崎市の広域避難所に指定されている茅ヶ崎GLを、さらに地域に開かれたゴルフ施設にしたいと考えたGDO BASE CHIGASAKIの伊藤修武ゼネラルマネジャーは、レストランを外部に委託したいと考えた。そこで「湘南に残された、ただひとつの蔵元」である熊澤酒造の紹介で入川氏と面会、地元住民がリモートワークなどでも活用できるカフェをオープンして欲しいと相談した。

以前、ゴルフ場のレストランをプロデュースした際に、業界の旧態依然体質に難しさを感じていた入川社長は難色を示したが、かつてコース管理棟として使っていた廃屋を見てスイッチが入り、出店に乗り出すことになった。その後、飲食店営業に制限があることがわかり、まずはクラブハウス2Fでカフェをオープン。その後、西側エリアをコミュニティビレッジとして開発することにした。

入川社長は、
「人が素通りするような場所に貴重な財産が眠っている。今まで、高架下やゴミ捨て場のようなところにカフェをつくってきた。歴史あるゴルフ場の中にある朽ち果てたバラックに、汗水をたらしてきた人たちの苦労や思い出が宿っている。ここを再生することでみんなが喜んでくれる。色々な制限があり、ハードルは高かったが、ひとつひとつ丁寧に交渉して実現にいたった。ゴルファーはもちろん、地域住民や観光客にも広く利用してもらえるよう、互いに協力していきたい」

ゴルフ場のクラブハウスの2Fという立地だけをとらえると、恵まれているとは言い難いが、同氏はオープン前のリサーチ段階で手ごたえを感じていたという。

ゴルフ場の近隣は、かつて別荘地だったエリアが新興住宅地となっている。都心に比べて広い家に住み、大型犬を飼う世帯が多く、環境的に恵まれている。日常生活の中に海があり、散歩や、サーフィンや、ジョギングをする生活導線の中に茅ヶ崎GLが存在し、看板を置けば自然に人は集まるだろうと考えた。まわりに競合店がないのも好条件だった。オープンして1ヵ月がすぎ、

「上手くいきすぎて怖いくらい」

と目を細める入川社長に、今後の展開を聞いた。

「ゴルフ場とその中にあるカフェを中心としてまちを豊かにしたい。契約期間の5年を様々な実験の場と捉えて、ゴルフ場活用のモデルケースにしたい。ゴルフ場の人手不足は、飲食業界のスタッフをマルチタスク化することで解決したい」――。

オープン直後、ゴルファーではない一般の来店客で賑わいをみせるカフェの利用客に話を聞いた。

礒谷さんご夫妻(40代・30代)
コースから歩いて15分程度の所に住んでいるが、近隣ではサザンビーチか辻堂まで足をのばさないとカフェがなくて困っていたので、オープンしてうれしかった。居心地のいいインテリアで、ゆっくりとお茶だけでも飲みに来られる雰囲気。

コーヒーを頼んだら、ポットで出てきたのもよかった。7時のトップトップスタートでプレーをすることが多いので、オープンを30分早めて6時30分にしてくれれば、朝イチのラウンドに間に合うのにと思う。場所柄、カフェの存在がもっと知られれば、サーファーや自転車に乗る人が多く利用しそう。

あまり流行りすぎるとちょっと困るけど(笑)。

村上さん(40代)
コースの入り口の目の前に住んでいて、同じマンションの方にすすめられて、今日初めて友人のママ友と、子供たちを連れて来てみました。ゴルフをしない一般のお客さんが入っていいのかな、と最初は不安でしたが、雰囲気がよく、テラスもあるし、席と席の間があいていて、ゆとりがあるのでコロナ禍でも安心感があります。

周辺はわりと飲食店が無いので、ありがたいです。欲を言えば、子どもが喜ぶようなメニューもあるといいですね。カフェに来て、ゴルフがしたくなった人のために、レンタルクラブでお試しプレーができるプランがあったら始めてみたい人も多いのでは。

鈴木さん・関口さん(30代)
茅ヶ崎市在住で、インスタグラムの投稿でこのカフェの存在を知って友達同士で来てみました。ゴルフは父親がするくらいで、したことがありませんが、緑が多くて景色がよく、とても居心地がよかった。

イメージ的にハンバーガー系だけかと思ったら、和食のメニューも多くてびっくり。今日はそれぞれとり天と、金目鯛の定食を食べましたが、とっても美味しかったです。このあたりに住んでいる人は、「ちょっとオシャレで美味しいもの」が食べたい願望があるので、趣向にマッチしていると思います。

ゴルフは楽しそうだけど、まだ敷居が高いので、パターゴルフみたいなゲーム感覚だったら試してみたいかな。近隣には小さなカフェしかなく、子供連れでいけるような場所がないので、とてもありがたいです。

今日は子どもを預けてきたけど、キッズスペースもあるので、次は子どもを連れて来たいと思います。


この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。

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向井康子

ゴルフダイジェストオンライン(GDO)でゴルフ用品のバイヤー、編集を経て、現在は新規事業推進のための海外事業の立ち上げに携わる。日本ゴルフジャーナリスト協会副会長。

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