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ギリギリ第3弾、プロギア新RSドライバーはなぜ飛んで曲がらないのか?

メーカー プロギア 浅水敦

“ギリギリ全開”――。

プロギアから7月13日発売されたのが『新RS』シリーズだ。ドライバー、FW、UT、アイアン、ウエッジで計7機種。同社主力シリーズがリニューアルした。そのキャッチコピーが冒頭の“ギリギリ全開”で、ドライバーはギリギリの高初速エリアを従来品よりさらに拡大した適合品という触れ込みだ。

実は7月の発売は、ライバル不在のタイミングでもある。多くのメーカーは春と秋、そして年末に大型商品をぶつけるため、夏は端境期。この時期に新鮮なヒット商品を欲しがる売場は多く、プロギアは秋商戦の前に稲穂を刈り取る算段だ。

新RSドライバーはどんなタイプのゴルファーに合うのか?

三代目となる今回の『RS』シリーズは、前作よりも「さらに、飛ぶ、やさしい」をコンセプトに対象ユーザーをゴルフへ真剣に楽しむアマチュアゴルファーに設定。実際の試打評価については後述するが、商品名の『RS』はリアルスポーツの略で、アスリートやこれから上達を目指すゴルファーに応えるゴルフクラブになっている。

では、具体的にどのような進化を遂げたのか?

PRGR商品開発責任者の山本眞司副社長に聞いてみた。

「テーマはギリギリ(高CT)の拡大です。『RS』ドライバーのヘッド上部には傾斜をつけたフランジがあり、この角度を大きくするとインパクトの瞬間にフランジがたわみます。その動きがさらにフェースのたわみを増幅し、反発係数を上げる仕組みです。前作比でフランジ角を2度拡大、さらにクラウン内側にリブを配置したことでクラウンを0.1ミリ薄肉化できました。これが新Wクラウン効果です。さらに、高CT値を実現するため、フェース中央部の肉厚面積を縮小して、規制値内に抑えつつ、高初速エリアをギリギリまで拡大したのです」

さらに「Wモーメント設計」により、打点のズレで生じる初速ロスも大幅に軽減するという。つまり、「新RS」は、ヘッドのたわむ面積と、高初速エリアが前作よりも広がったということだ。

先出の山本氏にもっと詳しく説明してもらおう。

プロギアが考えるCORとCTの関係性

「新RS」の高初速の定義とは?

「すべてのゴルフクラブが持つ最高初速が出る位置、つまりスイートスポットです。ただ、必ずしもそこで打てるわけではありません。スイートスポットを100としたらスイートエリアで99%以上の性能が出せるドライバーが『新RS』です」

それは感覚?それとも数値?

「数値です。ゴルファーが納得したショットの打点を見てみると、スイートエリア内に収まっています。ただ、実際に計測すると、飛距離と初速に差が出てしまう。そこを感覚と合致させて、数値として99%以上出そう、というのが『新RS』の高初速エリアの考え方になります」

COR0・811以上を高初速エリアと定義していますが、CORとCTの関係性は?

「相関性はありますがイコールではありません」

つまり、規制値となるCTを適合内に抑えながら青天井のCORを追求できると。

「考え方としてはそうですね。ただ、CTとCORは完全に一致するわけではなく、上限0・830をCT値に換算すると257μsですが、ピッタリ合致するわけではない。なので(CORがCTより)若干上にはいけると思います。いずれにせよ、独自の測定器でここまで緻密に測るのは当社だけでしょう。だからギリギリなわけで、他社製品はギリギリではない。高初速でライバルはいませんね」

ゴルフライター田島基晴氏による新RSドライバーの試打評価は?

この点についてギアライターの田島基晴氏は、

「ゴルフ場でドライバー2モデルを打ちましたが、高初速エリアが広くなった実感はあります。アッと思っても飛距離はそんなに落ちません。その分、一発の飛びは抑えられている印象ですが、平均飛距離は確実に伸びると思います」――。

失敗は許されない。フェース面250箇所を精密検査

プロギアの新『RS』は今回で3代目となるが、2016年発売の『RS-F』ドライバーは、ギリギリのCT値を追求した結果、規則違反により回収となった経緯がある。プロギアは、プレス機で6000個超のヘッド破棄という局面にもめげず、翌年にはリベンジモデルの「RS2017」を発売。そして、今作は「ギリギリ、全開。」をキャッチフレーズにさらなる飛びを追及したという。

「アマチュアのショットを2万発分析し、上下打点を含む高初速エリアを160%拡げました。ヘッドは独自の測定器を使い全品検査を2回。フェース面250箇所を計測して万全を期しています」(山本氏)

ギリギリ、全開。の由来である。

同社は「RS」と「エッグ」を2年サイクルで回していくというのが基本的な考え方。ただ、固定するとプロギアらしい発想の商品が投入できなくなる。それが今年3月に発売したお助けクラブの『Q』で、遊び心を取り入れて開発陣の「飽き」を防ぐなど柔軟性も備えている。

ただし、「ギリギリ」のフレーズは新味が薄くなってきたのも事実。そこで今モデルは、「高初速」にフォーカスしている。以下、各モデルの特徴を紹介していこう。

カーボン複合ヘッド採用の『RS-F』ドライバー

フルモデルチェンジした「新RS」は、さらに進化した「Wクラウン設計」と、新採用の「Wモーメント設計」による「Wデザイン設計」がコンセプトで、ドライバーは、専用設計を施したドローヒッター向けの『RS』、フェードヒッター向けでカーボンクラウンを採用した『RS-F』の2タイプを用意。

『RSドライバー』(8万円)は、ドローボールの打ちやすさを追求し、ヘッド形状はつかまりをイメージしやすいシャローバックに加え、低重心設計がボールをやさしくつかまえる仕様。左右の慣性モーメントを大きく設定し、左右の打点のズレにも強くなっているという。

一方、フェードヒッター向けの『RS-F』(8万円)は、カーボン複合クラウンを採用した重心設計で、同時に高いコントロール性能を持たせた。また、ライ角をフラット(56度)にするなど、つかまり過ぎをイメージさせない形状も特筆すべき点で、上下の慣性モーメントを大きくし、フェース上下方向のミスヒットに優れるとか。

両モデルに共通するのが、新たに採用を決めた『Diamana for PRGR』シャフト。三菱ケミカルと共同開発したもので、スイング中のヘッドのブレを抑制し、飛びと方向性を実現する仕組み。

下打点を高初速化RS FW/UT

『RS FW/UT』は、アマチュアに多い下打点ヒットでの高初速化を目指した。具体的には、実打点17㍉付近の反発エリアを拡大する「ワイドスイートエリア設計」による「Wデザイン設計」で飛びとやさしさを徹底追求。

『RS FW』(4万円)は、新採用の薄肉L CUPフェースで重心から下打点の反発性能を向上させつつ、ディープフェースながらやさしいヘッドに仕上げている。

一方の『RS UT』(3万2000円~)では、薄肉マレージングフェースで下打点の反発性能を高めた。両クラブともオリジナル専用カーボンシャフトは、スムーズなシャフト挙動で飛びと安定をもたらす「Diamana for PRGR」を装着する。

下打点の高初速化で狙う『RSアイアン』『RSフォージドアイアン』

アイアンは2モデルをラインアップ。飛びとやさしさを両立させた『RSアイアン』(5本セット、9万5000円~)、操作性と飛びを両立させた『RSフォージドアイアン』(同11万4000円)がそれ。両モデルともFW・UT同様、下打点の高初速化を実現したアイアンで、アマチュアの実打点である17㍉付近の反発エリア拡大に漕ぎ着けている。

『RSアイアン』は、シャープでやさしく飛ばすを目標に、コンパクトサイズのセミグースヘッド、新採用の弾きの良い薄肉L CUPマレージングフェースに裏溝加工を施したのが特徴。これにより下打点の反発性能がアップ、低重心設計に加え、コンパクト形状ながらやさしさも合わせ持つアイアンとなっている。

一方、『RSフォージドアイアン』では、薄肉高強度板材フェースに裏溝加工で反発性能を向上させながら、最適重量配置による適度な低重心化が図られた。上級者が好むストレートネックかつコンパクトヘッドも特筆すべき点で、構えやすさと高い操作性を確保。さらに、両アイアンとも横浜ゴム独自の振動減衰材を内蔵してソフトな打感に仕上げている。

その流れにセッティングされるウエッジが軟鉄鍛造の『RSウエッジ』(1万9000円~)。やさしさを感じさせるミッドサイズで、ロフトバリエーションは、アイアンのロフトピッチに合わせて選べる48°、50°、52°、56°、58°を用意。その構造は、ヒール側のソール幅を薄くしたため、フェースを開いたショットでも突っかかりにくく、抜けがいいとか。また、フェースは打点エリアを肉厚にする偏肉設計で打感のやわらかさを追求。そして、フェース表面はWヘリンボーンミーリング(レーザーミーリング)での打球の安定性が特徴だ。

プロも愛用する「RSスピン」ボール

PRGR契約プロの平塚哲二、森田理香子がツアーで愛用するゴルフボール『RS SPIN』(オープン価格)も同時発売。ドライバーのティーショットでは高初速、高打ち出し、最適スピンの安定した弾道で高い飛距離性能を発揮するという触れ込みだ。アプローチでは、ボールがフェースに乗るようなソフトな打感でスピンも効かせやすいほか、打ち出しがやや低く、距離感が合わせやすいボールとなっている。

プロギアでは、新「RS」シリーズの飛びとやさしさを多くのゴルファーに体験してもらうため、レンタル料金が半額になる「新RSレンタルキャンペーン」を9月30日まで実施中。

http://www.prgr-golf.com

 


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ライター紹介 ライター一覧

浅水敦

浅水敦

1971年東京生まれ。(株)明光商会入社後、7年半シュレッダー&パウチッ子&ボイスコールの営業(新規開拓営業部→第3直販部配属、外務省、宮内庁、旧富士銀行、日本興業銀行、大手宗教法人を担当)を経て1997年(株)ゴルフ用品界社入社。本誌及びWEB広告営業&編集、クライアントのビジネスマッチング、JGGANEWS編集委員などに従事。ゴルフ業界歴20年のベテラン記者。2003年取締役、2009年常務取締役、2017年1月専務取締役。

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