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完成まで34年?『エピックフラッシュ』はさらなるボール初速を求めて生まれた

メーカー キャロウェイ 片山三将
EPIC FLASH(エピックフラッシュ)

「今までドライバーのフェースって、芯の部分が厚くて周辺が薄いと思っていました。しかし、『エピックフラッシュ』は芯の周りが厚かった。初めはこれって失敗?と感じましたが、AIが自信を持って導き出した答えという。実際、打球音もいいし自分のドライバーよりも平均で7~8ヤード飛んでいました。パフォーマンスの高さには本当に驚きました」

キャロウェイゴルフは1月8日、都内展示会場で2月1日から発売する『エピックフラッシュ』ドライバーの記者発表会を開催した。昨年末からティザーで「ドライバーはAI時代へ」というキャッチコピーで新製品の登場感を煽っていたが、今回フェース設計においてAIを活用。

今まで見たことがないような波型形状のフェース(裏面)を作り上げた。冒頭のコメントは、その形状を見た時の石川遼の感想である。

さらなるボール初速を求めて生まれた

キャロウェイ エピックフラッシュ

『エピックフラッシュ』は、一昨年爆発的なヒットモデルになった『GBBエピック』の後継機種。

『GBBエピック』は周知の通り、飛距離に大きな影響を与えるボール初速の最大化を図るため、フェース裏側に「二本の柱」を立てた「ジェイルブレイク」テクノロジーを採用したモデルだ。

『エピックフラッシュ』も「ジェイルブレイク」を踏襲するものの、さらなるボール初速の向上を図るために波型形状の「フラッシュフェース」を開発したという。

そこでAIだ。キャロウェイによれば、世界で初めてゴルフクラブの開発にAIを活用したというが、その開発プロセスについて米本社の開発担当ジム・セルーガ氏が次のように語る。

3つの要素をAIにインプットし最適形状を導き出す

エピックフラッシュ

「まずは、USGA(全米ゴルフ協会)が定めるCT値(反発係数)を守る、フェースの耐久性を出す、そしてボール初速を上げる。この3つの要素をスーパーコンピュータに修正する許可を与え、条件をきっちりと満たすまで修正し続けなさいと機械に教え込みました。

まあ、その他にも色々とインプットするものはありますが、それは企業秘密なのでここでは話せません。

そして、そこで機械に学習させて出てきたものをジェイルブレイクとセットにして、CADでプロトタイプを作るというプロセスになります。

ただ、我々の解析システムの中には人間(クラブの使い手)の要素を入れ込んだデータもあります。これは以前のモデルの開発にも活かしてきたものですが、今回はそれにプラスオンする形でAIが導き出したデータを付け加えたというイメージですね。

実際、このような特殊なフェースデザインをマニュアルで作れば、膨大な時間がかかってしまいます。それをAIに上手く消化してもらうことで開発時間の短縮が図れたというわけです」

キャロウェイは自前のスーパーコンピュータを所有、以前から多様なゴルファーのデータを蓄積してきたという。

ただ単にAIで数値を弾き出しただけではなく、人間が使いこなす道具であることが前提。その上でコンピュータの力を借りて最適化を図ったというのだ。

34年掛かるところを4週間で完成した新フェース

ちなみに、従来の人が開発において設計と修正を行う場合、プロトタイプは8~10回しかできないところ、AIは同じ工程を1万5000回も実行できるという。

実際、「フラッシュフェース」の開発においては1万5000通りのバーチャルプロトタイプを作成したというから驚きだ。一般的なパソコンを使えばフェースが完成するまでに34年掛かるところ、今回は4週間で完成したとか。

それを聞いた石川遼は、「AIを使わなければ60歳になってようやく使えるものが、今使えるのはうれしいですね。こんないいドライバーを作ってもらったので契約スタッフとして頑張りたい」と口元を引き締めた。

トランポリンの二枚重ね?

では、「フラッシュフェース」は一体どんな構造になっているのかということだが、その点についてキャロウェイはトランポリンを例に挙げて説明する。

写真の左は通常一枚のトランポリンだが、一番右が二枚重ねたトランポリン。二枚のトランポリンの間に硬いコンクリートを挟むことで運動エネルギーが高まる反発構造という。これが「フラッシュフェース」の構造的なイメージ。

ただ、ヘッドが撓み過ぎるとエネルギーロスを起こしてしまうので、撓み過ぎを抑制するために「ジェイルブレイク」が必要となる。「フラッシュフェース」と「ジェイルブレイク」がセットになって初めて効果を発揮するテクノロジーという。

石川遼と上田桃子がエピックフラッシュの印象を語る

そのインプレッションについて石川遼は、「全体的に分厚い感じで当たりが強いですし、ボールを打った時にフェースの厚みをすごく感じました。これなら(フェースが)割れる心配がないので安心です。それにしてもフェースが厚いのに反発が高まるというのは驚きです」と今までの常識を覆されたという。

一方、上田桃子は、「元々女子はキャリーが男子ほど出ません。出そうとするとどうしてもアッパーになってしまう。でも、『エピックフラッシュ』ならクラブがキャリーを出してくれますし、実際に10ヤードほど伸びている。女子もパワーの時代になっていて1ヤードでも遠くへ飛ばすためにトレーニングしていますが、クラブでこんなにキャリーが出るならクラブに頼った方がいいですよね(笑)」とテクノロジーの進化に舌を巻く。

エピックフラッシュは3モデル 7万7000円~

EPIC FLASH(エピックフラッシュ)
エピックフラッシュ スター

AIが生み出した『エピックフラッシュ』は、「ジェイルブレイク」の他にもヘッドの慣性モーメントを最大化するという「トライアクシャル・カーボンクラウン」など『GBBエピック』で採用されたテクノロジーを踏襲しつつ、さらにグレードアップを図ったとのこと。

エピックフラッシュ サブゼロ
エピックフラッシュ サブゼロ

ラインアップは『エピックフラッシュスター』、『エピックフラッシュサブゼロ』、『エピックフラッシュ』(数量限定)の3機種。価格は各1本7万7000円(税別)~。また、「フラッシュフェース」を搭載したフェアウェイウッドも同時発売する。

エピックフラッシュ
エピックフラッシュ

「ジェイルブレイク」というテクノロジーを全面に出して空前の大ヒットを飛ばした『GBBエピック』。その後継機種だけに進化するテクノロジーが求めらる『エピックフラッシュ』をゴルファーがどう評価するのか。AIという新たなモノ作りにチャレンジするキャロウェイの真価が問われるニューモデルだ。


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ライター紹介 ライター一覧

片山三将

片山三将

1965年9月21日生まれ、東京都出身。
「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行する株式会社ゴルフ用品界社の専務取締役兼営業本部長。92年の入社以来、編集&クライアントへの広告・企画を担当。
その一方、国際事業部の責任者として海外事情にも明るく豊富な人脈を持つ。編集&広告・企画のモットーは「切り口」。一つの事象を多面的に捉え、「多種多様な読者の興味を喚起する記事執筆」、「クライアントの商品・サービスに新たな付加価値をつけるブランディングの提案」を常に心掛けている。
信条は、「人生には何ひとつ無駄なものはない」ーー。

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