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  • ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 「X」登場

    片山三将
    1965年生まれ、東京都出身。 1992年「月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド」(GEW)を発行する株式会社ゴルフ用品界社に入社。以来、編集&クライアントへの広告・企画を担当。 その一方、国際事業部の責任者...
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    住友ゴム工業は7日、都内のホテルで2019年12月7日に発売する11代目『ゼクシオ』の記者発表を行った。報道陣は160名と過去最多、2000年2月の初代デビューから20年の節目となるだけに、派手な「成人式」を演出した。 発表会は13時から15時までの2時間。契約プロの中嶋常幸、大堀裕次郎、新垣比菜、そして元メジャーリーガーの上原浩治氏によるトークショーも行ったが、伝えたかったことは「リブランディング」。つまり、世界観の一新だった。 ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 19年連続国内ゴルフクラブ売上1位、累計2100万本を販売するなど不動の人気を誇っているが、一方では「おじさんのクラブ」という定評もある。 デビュー時の主要顧客が後期高齢者に突入する中、ブランドイメージを一新する必要に迫られた。そこで20年目の再出発に踏み切ったもの。スポーツ事業本部の川松英明本部長がリブランドの狙いをこう語る。 ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 「世情は大きく変わっています。マスから『個』が主人公になった。SNSの普及で情報共有の社会になった。そして、モノ消費から『コト消費』になってきたこと。ゴルフ界に目を転じれば、接待ゴルフや社内コンペなどのビジネス需要が縮小し、プライベート需要が拡大傾向にあります。 価値観の多様化が進む中、ゴルフの楽しみ方も多様化している。これらを総合的に考えて、大幅なリブランドに踏み切りました」

    「X」と「イレブン」の両輪で回す

    ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 ポイントは2点。ひとつは商品展開で、従来の『ゼクシオ』を継承する『イレブン』と、体力があるゴルファー向けの『X』に大別したことだ。これにより『ミヤザキモデル』は廃盤(シャフトのミヤザキは継続)となり、『X』の販売構成比を2割にしたい考え。 もうひとつは、ゴルフの多様な楽しみ方をスマホアプリの提供や「音楽配信」などによって立体的に感じさせる「体験価値」の提案だ。アプリはスコア管理、ショット解析、ナビ機能等があり、世界最大の音楽配信会社スポティファイと提携して「ゼクシオ・チョイスの楽曲」を提供するなど、順次コンテンツを盛り込む構え。「脱おじさん」に本腰を入れる。 ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 『イレブン』は60歳以上のゴルファーが中心で、仲間意識が強く協調性を重視する層。『X』は40~50歳代が中心で、ゴルフ場への往復を含めてトータルで楽しむ層が対象だ。 注目すべきは『X』の存在である。これは『ゼクシオ』の若返りを担うもので、一見、従来の『ミヤザキモデル』と同系統と思われがちだが、実は違うという。前作までの『ミヤザキ』は『ゼクシオ』と同じヘッドを採用していたが、『X』は専用設計になる。『イレブン』はフルチタンヘッド、『X』はカーボン複合タイプで、インパクト音も低めに設定した。 このブランドがロングセラーとなった一因に爽快な「ゼクシオ・サウンド」があり、耳が遠くなりがちな高齢層には高音、聴力が瑞々しい世代には若干低音など、細部へのこだわりを重視している。

    派手な外資系はウサギ、我々はカメです

    ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 外資系大手が派手な「機能革新」を喧伝する中、国内メーカーはその面で劣勢の印象もある。この点について川松本部長は、 「我々はカメです。一見、地味に映るかもしれませんが、『ゼクシオ』は着実な進化を遂げており、そのあたりを注目してもらいたい」 と語気を強める。8代目の『ゼクシオ エイト』からスイング解析をベースにした開発に本腰を入れ、10代目の『テン』で開花させたが、今回もその流れを踏襲している。大西章夫副本部長によれば、 「ゴルファーのパワーを最大限に引き出す“飛ばし方”を実現するために、近年はスイングを真剣に研究していますが、今回特に注目したのは『トップ・オブ・スイング』です。新開発の『ウェイト・プラス・テクノロジー』(WPT)により、コックがたまり、深く安定した理想のトップを実現、より速く正確なインパクトを可能にします」 ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 前作では、身体への負荷(力)を軽減するシャフト構造を研究し、クラブの遠心力によって身体に掛かる力を抑制することを目指した。さらに今回は「理想のトップ」を実現するための構造を加えている。それがWPTで、 「ゴルフクラブの手元に重量を集中させると、テークバックでヘッドを支える力が軽減できます。それで理想のトップ位置を確保しやすくなる。そのため、シャフト重量を軽量化して、さらにグリップエンドに『シリコンラバーブッシュ』を埋め込んだ。つまり、テコの原理を応用して、深く安定したトップが決まりやすくなるのです」 ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 『イレブン』のドライバーには10g、『X』には6gのウェイトが装着される。シャフト手元側の軽量化を図ることで「重いヘッド+軽量シャフト+重いグリップエンド」という設計を施した結果、前作よりもコックが2度たまるという。 前作比で、トップでのヘッド位置、グリップ位置のバラつきが約40%軽減された。それがスイングとクラブの慣性モーメントを小さくし、素早く正確なインパクトを実現する効果を生み、平均飛距離も4ヤード伸びたという。 「たしかに大手外資系メーカーは派手な演出で注目を集めています。強いキャッチフレーズでアピールしやすいかもしれません。対して当社のニューモデルですが、これを表現する言葉は『ヘルシーなクラブ』と言えるでしょう。身体の調子を整える『機能性食品』が注目されていますが、今回のゼクシオはそんな感じかもしれませんね」(川松本部長) ゼクシオ「成人式」を迎えて世界観を一新 地味だが、濃い実質を備えている。このあたりを強く打ち出すことで、「AIドライバー」らに対抗する算段だ。また、各社ともヘッドの「内部機構」を複雑化して、いわゆるカチャカチャ系(可変機能)が主流になっているが、 「ゼクシオはシンプルな構造です。それは、複雑化することで不具合が生じる可能性を嫌ったからではなく、最適な重心やインパクト音を求める上でマイナスになると考えたから。今回の『イレブン』は、ソールとクラウンを薄肉・軽量化して、そこで生まれたフリーウェイトを後方に配置。慣性モーメントが増加したことでスイートエリアは前作比で72%向上しています」 『ゼクシオ』は過去、自動車の『クラウン』を目指してきた。それは、信頼されるハイエンドブランドへの挑戦だったが、性能を着実に進化させつつ、新たな世界観の確立に挑む。
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